金融の世界史 -書籍レビュー

 金融に関する歴史をわかりやすく理解できる本

金融に関する歴史と背景についてわかりやすく説明されている書籍です。古代から現代までの様々な事象に広く簡単に触れられています。最初は古代の貨幣や金利などの内容から、大航海時代や東インド会社などの金融の話題へと移ります。後半は1800年代から現代のアメリカやヨーロッパ、日本の金融市場に関する話題になります。グラフなどのデータを用いて説明されているので、わかりやすい内容にまとめられています。

後半の話題は興味深く、資金調達から見た日露戦争・太平洋戦争、投資信託の盛衰などが簡潔にまとめられています。また、アリストテレスの財獲得術や大暴落とチャップリンの「街の灯」の話など、経済や金融に関する小話も多いので、小話好きの方にとってもおすすめです。

難点としては、時代や場所が前後する場合や、話題も逸れる場合があるので、それぞれの事前知識が無いと読みづらく感じることがあります。また、後半になるにつれ、現代の専門用語が多くなります。ですが、全体としては時系列に順序立てられているので、読みづらいときは、わかりづらい点は飛ばし読みしても全体像を理解することができます。

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 ◆ 得られる知見キーワード

金融の歴史、ヨーロッパの金融、現代の金融市場、金融商品の始まり

 ◆ 目次一覧

1.金利も銀行もお金より先にあった
2.貨幣の幻想
3.アリストテレスの考え方
4.中世の宗教と金融
5.大航海時代
6.東インド会社と取引所
7.国債と保険の始まり
8.ミシシッピ会社と南海会社
9.アムステルダムからロンドンへ
10.イギリスからアメリカへ
11.戦争と恐慌と
12.大戦前後の日本の金融市場
13.戦後からニクソン・ショックまで
14.日本のバブル形成まで
15.投資理論の展開

 ◆ 著者プロフィール

板谷 敏彦氏: ライター、講師
1955年生まれ。石川島播磨重工業の船舶部門を経て、日興証券、クレディ・アグリコル・インドスエズおよびドレスナー・クラインオート・ワッサースタイン等でマネージング・ディレクター、みずほ証券株式本部営業統括、2006年に投資顧問会社であるルート・アセット・マネジメント設立。

著書:日本人のための第一次世界大戦史 世界はなぜ戦争に突入したのか(2017)、金融の世界史: バブルと戦争と株式市場(2013)、日露戦争、資金調達の戦い―高橋是清と欧米バンカーたち(2012)

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