資産を777倍以上に テンバーガーの元祖 ピーターリンチ氏の投資手法と格言 – 株式投資

    ピーター・リンチ氏といえば、規模1億ドルにも満たなかった「マゼラン・ファンド」を13年間で777倍以上の100億ドル規模のファンドに押し上げた伝説が一番に挙げられるでしょう。

    リンチ氏がこの会社のファンドマネージャーとして任命されてから、辞任するまでの間に、年平均29.2%のリターンを叩き出すことを実現させた、稀代の大投資家でした。

    また、それ以外にも
    ・テンバガーの名付け親
    ・投資に関する多くの名言
    ・アマチュア投資家の強みに焦点を当てた事
    ・そして、名著「株で勝つ」の執筆など、
    投資業界に大きな貢献をした人物です。

    株を選ぶ時の考え方は独創的です。
    これから紹介する投資方法を見ると、一見不思議に思うと思います。

    しかし、考え方を更に掘り進めていくと、理に叶った投資手法です。
    ピーター・リンチ氏の考えを軸として、投資で成功を収めている投資家はとても多いのです。

    目次

    ピーター・リンチ氏の略歴​

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    出典:Wikimedia Commons

    10代でゴルフのキャンディー

    ピーター・リンチ氏はアメリカのマサチューセッツ州に生まれました。
    リンチ氏が7歳の時に、彼の父親が癌と診断され、3年後に亡くなってしまいます。

    家計を助ける為に、リンチ氏も十代からキャディーとして働き出しました。

    その後、ボストン大学へ入学したリンチ氏は、自分で貯めた貯金を使って、「フライングタイガー航空」の株式を100株購入します。
    購入当初は1株あたり8米ドルでした。

    後に1株あたり80ドルまで上昇し大きな利益を得ます。
    この利益は、後の彼の教育費用に役立ったそうです。

    投資の道へ

    彼は運命を変える出会いを果たします。
    ゴルフ場でキャディをしていた彼は、フィデリティインベストメントの社長と出会い、インターンとして雇用されるチャンスを得ることになります。

    ピーター・リンチ氏は当初、製紙、化学、出版業界を担当しました。
    約2年間を兵役で過ごした後、1969年、彼は正社員として投資に専念します。

    伝説の投資家へ

    正社員となり、様々な業界の投資を担当します。
    そして、ついに伝説と言われる「マゼラン・ファンド」のファンドマネージャーとなりました。
    その後の活躍はめざましく、顧客からの預かり残高1,800万ドルを13年間で140億ドルにまで押し上げます。

    ファンドマネージャーを辞任後は、フィデリティの投資顧問部門であるフィデリティマネジメント&リサーチ社の副会長としてパートタイムで働きました。

    ピーター・リンチ氏は、様々な銘柄で大きな成功を果たした後、数多くの著書を執筆します。
    「株で勝つ」という書籍は、世界の多くの人々に深い感銘を与えた名著です。

    彼は、今ではごく普通に使用されている「テンバガー(株が購入価格の10倍となる事)」という金融用語の名付け親でも有ります。

    リンチ氏の総資産は3億5,200万ドルにもなるとされてます。
    リンチ財団を通じて教育・宗教団体などへ寄付を行うほか、ボストン・カレッジへの寄付を行いました。

    ピーター・リンチ氏の投資手法と実績

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    ピーター・リンチ氏の投資手法を紹介します。
    投資スタイルは超・徹底した企業調査から始まります。

    ファンダメンタル分析を徹底的に行い、更にその中から決めた株は長期的に保有し、成長をしない限りはホールドし、売却しない徹底ぶりです。

    ここからは、彼が株を選ぶ際の代表的な判断基準を紹介していきます。

    面白味のない、または馬鹿げている社名

    面白味が無い、馬鹿げているというのはバカにしている訳ではありません。
    例えば、レーザースパイラル株式会社とカーテン販売株式会社であれば、後者の方が何をしている会社なのか具体的です。

    このような、少しダサい名前だと機関投資家が買おうとせず、割安株として放置される事が多いと彼は言っています。
    つまり、あまり目立たないけども割安の株式を購入する事で、大きな成長が見込めるという事です。

    悪い噂がある会社、気がひける業態、感心できない会社

    評判が悪い会社をあえて狙うのも、大きな利益を獲得するための狙い目であると、リンチ氏は述べています。
    具体的には、葬儀屋など少し株を購入するのを敬遠してしまうような会社が挙げられます。

    このような株は、機関投資家も敬遠するので、割安として放置されることが多いのこともポイントの一つです。

    無成長産業・ニッチ産業

    新規参入しようと思う会社が現れないため、熾烈な価格競争も行われず?高収益を確保する事がとても容易になると彼は話しています。

    つまり、あまり人気のないブルーオーシャンの会社を探せと言う事です。
    また、ニッチな産業は新規参入がとても難しいので価格決定権を独占しているような産業もまた良しと言っています。

    インサイダーが好む銘柄

    リンチ氏は「企業を一番知る人間はインサイダーであり、彼らが買い増しをしている会社の見通しが悪いわけがない」と述べています。

    一番に会社のことを知っているのは社長や役員です。
    彼らが、どの程度、自社株を保有しているのかを確認してみるのもいいかもしれません。

    役員の株式保有数は、有価証券報告書に記載されています。

    買い続けなければいけない商品

    例えば、「一回使えば治ってしまう薬」を売る会社と、「飲み続ける事で治る薬」を売る会社があれば、投資家として選ぶ会社は後者です。

    「一回使えば治ってしまう薬」は、病人は一度買えば、それ以上買う必要がありません。

    ですが、「飲み続ける事で治る薬」の場合、病人は何度も買う必要があります。

    「需要が消滅しないこと」は、「収益が安定していること」を表します。
    そのため、このような会社を選ぶべきだと述べています。

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    ピーター・リンチ氏の投資の格言

    ここからはピーター・リンチ氏の格言を紹介します。

    • クレヨンで説明できないアイデアには決して投資するな

    • デイ・トレーディングに生計を賭けることは、競馬やブラックジャック、あるいはビデオ・ポーカーで、生計を立てるのとほとんど同じである

    • 自分が知っているものに投資しろ

    • 株価の今日や明日、または来週の動きは、単なる気紛れでしかない

    ピーター・リンチ氏を詳しく知る方法​

    ピーター・リンチ氏について更に深く知るための書籍を紹介します。

    ピーター・リンチの株で勝つ

    投資本の古典ともいえる、ピーター・リンチ氏の著作です。
    投資手法の考え方、リスクや情報の利用方法など、株で成功する秘訣が解説されれています。

    ピーター・リンチの株の法則

    ベストセラーになった「ピーター・リンチの株式投資の法則」の新訳版です。
    13年間にもわたる膨大なメモから明らかになった「リンチ・メソッド」が記されています。

    まとめ​

    ピーター・リンチ氏の「少し変わった株の選び方」は、かつて批判の対象となる事もありました。

    しかし、その選び方を読み解くと、「一般投資家が勝てる株の選び方」を、端的に説明してくれています。

    リンチ氏が、この方法を使って、株を購入した結果については、先に説明した通りです。

    これ以外にも、一般投資家が投資で成功するための様々な判断基準について、指南してくれています。

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