米国株に小額で分散投資する方法


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米国株は世界中で最も取引が活発な市場です。誰もが知っているグローバル企業や、投資したくなるような成長企業が数多く存在します。日本では少子高齢化に伴う国内経済の鈍化を感じざるを得ない一方で、世界中から人々や移民が集まるアメリカでは、顕著な成長力のある企業を多く生み出してきました。
米国株は実際に投資をするとなると、日本株に比べてハードルが高いように感じてしまいます。しかしながら、実は日本株に比べて分散投資しやく、近年ハードルが低くなっています。本記事では、10~30万円以下で始められる、小額かつ分散投資できる投資方法を探っていきます。

 

1.現物株  2.米国ETF  3.投資信託  4.CFD(差金決算取引)

 
 

1. 現物株:日本株よりも小額かつ分散投資しやすい

通常、米国株を取引するには、現地の証券会社の口座を持つ必要や手続きの煩雑さがあり、慣れている人ではないと難しいのが現状です。しかしながら、マネックス証券やSBI証券、楽天証券などの日本法人の証券会社からも米国株への投資できるサービスを提供しています。過去に比べ、手数料も安くなっており、比較的お手軽に株を購入することができます。ここでは日本法人の証券会社を利用して米国株を取引する場合のメリットとデメリットを考察します。

メリット:小額から分散投資ができる

日本株と大きく異なる点は、売買単位が無いことです。株価と同じ金額から購入することができることです。そのため、10万円もあれば数十の銘柄に対しても投資することは可能です。(ただし、手数料がかかりますので、数千円で1銘柄へ投資することはよくありません。) そのため、話題沸騰の成長株であっても、数万円以下で購入することができる場合があります。資金が不足していても投資できないという機会損失が起こりにくいことも魅力です。

デメリット①:手数料は安くはない

手数料は過去に比べて安くなっていますが、安い証券会社でも0.2%または0.45%(最低手数料5米ドル)になりますので、日本株に比べると割高になります。さらに、手数料だけでなく、スプレッドも考慮する必要があります。米国株を購入するときは日本円から米国ドルへ両替(売買)する必要があり、そのスプレッド(米ドルの売値と買値の差)が実質手数料ともいえます。米国ドルの購入価格は高く、米国ドルの売却価格は安くなります。そのため、為替変動が一切無い状態で、株の売買損益が0ドルだとしても、実質的にマイナスになります。

デメリット②:信用取引はできず、空売りもできない

日本法人の証券会社において、信用売買はできないようです。レバレッジ(小額で大きい金額を動かすこと)はできないので、所持している金額よりも大きい金額は取引できず、ハイリスクハイリターンを狙った取引はできません。景気が悪い時に売りから入ることはできません。

 

2. 米国ETF:様々な商品がある × 配当金も受け取れる場合がある

ETFとは「Exchange Traded Funds」の略で上場している投資信託のことです。米国株の取引サービスを申し込むと、米国ETFについても売買できるようになります。米国市場のETFでは、多種多様な商品が用意されており、日本に比べて取引も活発です。一部の業種の株式を対象にしたものや、株式指標に連動するもの、成長株に投資するものなどが存在します。

※日本市場にも米国株に関するETFが上場しており、日本株と同じように気軽に売買することができます。
信用売買も可能であり、NISAも利用できます。ただし取引数は活発ではない場合があります。

メリット①:小額で幅広く分散投資でき、様々な商品を選べる

株式投資はそれぞれの銘柄に対してリスクを負うのに対して、ETFはリスク分散ができます。1つのETFへ投資するということは何十もの銘柄へ投資することと同じ意味を持ちます。運用会社のプロが銘柄選びを行う商品がありますので、銘柄への知識が少ないときも投資しやすいです。そして、多種多様なETFがありますので、自分の相場観やスタイルに合ったETFを見つけて投資することができます。通常、米国株は信用売買できませんが、実質信用売買の効果を持つ商品も存在します数倍のレバレッジと同等の効果を持つ商品や、通常の値動きと反対方向に動く商品など、相場観に合わせて商品を選ぶことができます。なお、ETFでは配当金と同様の分配金を受け取ることができる商品もあります。

メリット②:手数料が無料の場合がある

手数料については驚くべきことに無料としている証券会社が存在します。SBI証券ではNISA(税制優遇制度)を利用すると売買手数料がゼロになります。マネックス証券ではゼロETF(米国ETF売買手数料実質無料プログラム)を提供しています。もちろん、米ドルのスプレッド(売値と買値の差)や、ETF独自の手数料も存在することは考慮しなくてはいけません。しかしながら、売買手数料ゼロは少なからず投資のハードルを下げてくれます。

デメリット①:想定した値段で売買できない可能性がある

取引が活発ではないETFも存在しますので、買うときは基準価格よりも高い価格になることや、売るときは基準金額よりも低い価格になる可能性があります。運用している会社の信用性や、売買取引数には注目する必要があります。

デメリット②:ETFの中身を調べる必要がある

投資信託の投資と同様に、運用会社の力量次第で伸び率が異なる場合があります。中には、運用手数料を差し引くと、大して利益にならない場合もあります。銘柄を調べるよりも、運用手数料、投資信託の方針について、目論見書や実績などを詳しく調べる必要があります。利用する証券会社からは日本語の説明書が提供されている場合もありますが、外部からより詳しく情報を集めようとすると、日本のETFに比べてハードルは高くなります。

【手数料について】
売買時には「売買手数料」が必要になります。手数料は株式の売買時と同じです。積立投資をするときにも当然、毎回手数料がかかりますので、積立するのであれば投資信託を使う方が良い場合があります。また、保持している間に信託報酬(運用管理費用)がかかります。商品によって異なりますが、年率約0.1~3%程度です。

 

3. 投資信託:分散投資できる長期投資向けの方法


分散投資を考えるとき、投資信託が一般的な方法です。投資信託とは、多くの投資家から集めたお金を、投資会社が株式や債券などで運用する商品のことです。様々な投資信託があり、投資対象も運用方針も異なります。

メリット①:小額で幅広く分散投資できる

投資信託によりますが、1~5万円程度から投資できますので、10万円あれば複数の投資信託へ投資ができます。それぞれの投資信託で、多くの銘柄に対して投資されていますので、分散投資としては優れた方法といえます。また、一定期間毎にコツコツ積み立てをする方法が一般的ですので、株価が高い時は株数は少なく、株価が高い時には株数が多くなり、購入価格を平準化することができ、大幅な損失を回避できるといわれています。

メリット②:銘柄選びは専門家へ任せることができる

銘柄を選定するのは運用会社の専門家になりますので、個々の銘柄を詳しく調べなくても、専門家が知識や経験をもって投資してくれます。さらにNISA(税制優遇制度)を利用できることも利点の一つです。確定拠出年金用の投資信託も多く存在しています。

デメリット①:運用会社の力量に左右される

ETFと同様に様々な投資信託が存在し、投資信託の伸び率はそれぞれ異なります。中には、運用手数料を差し引くと、大して利益にならない場合もあります。投資信託に投資する場合には、銘柄を調べるよりも、運用手数料、投資信託の方針について、目論見書や実績などを詳しく調べる必要があります。日本語で目論見書は提供されている場合はありますが、目論見書以上のことを調べるのはハードルが高くなります。運用会社としては、手数料で利益になる場合もありますので、都合の良いグラフや説明を使って巧みに投資信託を買わせようとしますので注意が必要です。

デメリット②:景気や情勢に左右されやすい

ETFに比べて、投資信託はコツコツと積み立てるような方法で投資する場合が多いと思います。しかし、基本的には景気悪化時も投資が継続されますので、景気悪化時には損失が増えていきます。フル投資型の投資信託では、ほぼ全ての投資に回されますので、どのような投資方針かどうかを事前に調べておくことが大切です。そのため、解約するという手段がありますが、直ぐに解約しようとしても通常、解約申し込み日の終値をベースで換金額が決まりますので、大幅下落後になりかねません。

【投資信託の費用】
投資信託を買うときにの「購入手数料(申込手数料)」、持ち続けている間にかかる「信託報酬」、買い付け時や換金時にかかる「信託財産担保額」があります。購入手数料は0~4%程度であり、証券会社に対して支払う金額になります。ネット証券会社によって無料の場合もあります。信託報酬は運用管理費用のことであり、投資信託によって異なりますが、年率約0.1~3%程度です。信託財産担保額は買い付けまたは換金時に支払う金額であり、投資信託の信託財産に担保されます。買い付け時に約0~0.6%程度、換金時には0~3.5%程度かかります。
上記以外にも、監査法人などから監査を受けるときに発生する「監査報酬」などの費用が発生する場合があります。

 

4.CFD (差金決算取引):小額で大きな金額を動かすことができる × 為替の影響を受けにくい


CFDとは「Contract for Difference」の略であり、差金決算取引のことです。CFDの特徴としては現物を伴わない取引であり、実際の利益と損失が発生するバーチャル取引ともいえます。売買値は実際の値と連動しているものの、証券会社のシステム上で決まりますので、証券会社の信用性が重要になります。また、株価だけではなく、株価指数や外国為替、金や原油などの商品など、様々な取引ができます。

メリット①:小額で大きな金額を動かすことができる

通常、預けた金額の5倍程度の取引ができます。また、信用取引と同様に、「売り」から入ることもできますので、企業の業績や景気が悪い時にも利益を得ることができます。

メリット②:為替を気にせず、銘柄投資に集中できる

外国株投資における大きな不確実要素は為替です通常の取引では、下記の図のように株価が上がっても円高では損失になる場合があります。逆に円安であれば、株価が多少下がっても利益が出る場合もあります。外国株投資には、為替に対するリスクも考慮しなくてはいけません。しかし、CFDは差金取引になりますので、利益または損失部分に対してのみ為替の影響を受けます。そのため、為替の影響によって利益が損失になることは無く、損失が利益になることもありません。為替をあまり気にすることなく、銘柄の投資に対して集中することができるのです。

◆1ドル100円のとき、20ドルの米株を購入したときの売却損益

1ドル90円 (円高) 1ドル110円 (円安)
株価 通常の取引 CFD 通常の取引 CFD
15ドル (-5ドル) -650円 -450円 -350円 -550円
22ドル (+2ドル) -20円 180円 420円 220円
25ドル (+5ドル) 250円 450円 750円 550円

※レートは証券会社によって決定されますので、実際にはレートが若干悪くなる可能性があります

デメリット①:損益を考えずに投資するとリスクが高い

小額から大きな金額を動かせるということは、リスクも高くなるということです。もちろん、投資金額は自分でコントロールできますので、リスクを抑えることも可能です。ただし、預ける金(証拠金)が少ないからと言って、欲が出たり、期待損益を考えずに投資をしてしまうと、大きな損失を抱えることになりかねません。バーチャル取引を提供している証券会社も多いので、あらかじめ、どれだけの損益幅があり得るのかを知ることが大切です。

デメリット②:銘柄が少ない

現物株であれば、数千以上の銘柄を取引できますが、CFDであれば多くても数百程度になります。手数料が安い証券会社であれば、数十の場合もありますので、投資できる幅は狭くなります。

デメリット③:手数料が分かりにくい

主な手数料として「取引時の手数料」「金利」「分配金」がありますが、それぞれの金額は変動しますので、実質の費用を想定することは困難です。取引手数料はゼロとしている証券会社が多いですが、スプレッド(売値と買値の差)が実質的に売買手数料になります。買値は本来の値よりも低く設定されており、売値は本来の値よりも高く設定されています。利益が出てもスプレッドのせいで損失になることもあります。「金利」は買いポジションで日を繰り越した場合(ロールオーバーしたとき)に支払い、売りポジションでロールオーバーしたときは受け取ることができます。ただし、金利には証券会社の手数料相当額が考慮される場合がありますので、金利よりも証券会社の手数料相当額が高い場合には、売りポジションの時も金利の支払いが必要な場合もあります。また、配当のタイミングにおいて、買いポジションの場合には配当相当額が受け取れますが、売りポジションの場合には支払う必要があります。分配金は実際の配当金をもとに各証券会社が金額を設定しています。また、その他手数料が発生する場合がありますので、証券会社の説明をよく確認する必要があります。

日本株に小額で分散投資する方法
「現物株」「信用取引」「単元未満株」「株式累積投資」「 ETF・ETN」「CFD」




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