世界の投資家やリーダーの思想や理念 - 投資界の『生ける伝説』cis氏を徹底解剖!略歴からその手法まで

日本で最も有名な個人投資家との呼び声も高い、投資界の『生ける伝説』cis氏を徹底解剖。総資産230億円(2018年末時点)に至るまでの略歴やその手法などをご紹介します。
現在のTwitterのフォロワー数が46万人(2021年1月時点)、そして本を出せば15万部の大ベストセラーという投資界におけるスターのcis氏。そんな人気も頷ける豪快な伝説を数多く持っています。
・チャイナショックで37億円
2015年8月24日、中国の経済不安をきっかけとした世界同時株安が発生。日経平均先物が2,000円安となったその日、世界中の投資家たちが阿鼻叫喚の地獄の中、cis氏は日経平均先物の「売り」で37億円の含み益があることをTwitterで公開しました。このことは後に、米紙ブルームバーグでも取り上げられました。
・ジェイコム株で6億
2005年12月8日に起きた有名な「ジェイコム株誤発注事件」で数十秒でなんと、6億円の利益を得ました。おもしろいのは、『自身の経験から「大勝利こそチャラにされやすい」という教訓があり、どうやったらチャラにされないかばかりを考えていた』と語っています。
cis氏とは ~ 略歴 ~
子供の頃からギャンブルやゲームが得意だったcis氏。中学3年生でパチンコを始め、すぐに月40万ぐらいを稼ぐようになります。そして高校生でパチプロ集団の元締めになり、20歳のときには2000万円を貯めたそうです。そして大きい金額を賭けれる競馬に挑戦しますが、結果はボロ負け。1000万円程失い、「このゲームでは勝てない」と悟り、投資の世界に足を踏み入れます。
21歳の時に残った1000万円のうちの300万円を元手に株式投資をスタート。ところが最初は負けまくります。大学卒業後に、町工場に就職しましたが、その給料も毎月ぶっこんで、さらに残った700万も溶かし、最悪の時で104万円まで減らしたそうです。「総額1000万円以上は負けた」とのことです。
しかし転機が訪れます。それまでは割安株への長期投資をメインにしていましたが、2ちゃんねるでの個人投資家オフ会で、勝っているトレーダーは短期投資が多いことを知り、値動き重視の短期トレードに切り替えました。
ここからが伝説の始まりです。投資を始めて3年後には総資産6000万円に到達して専業になり、翌年には資産2億円を突破。その後、すごいスピードで着実に資産を増やし、31歳で100億円、そして著書を出版した2018年(39歳)のときには230億円まで膨らみます。
cis氏の名言・格言
cis氏は元々掲示板サイトの2ちゃんねるで活動しており、そこでも多くの名言を残しています。
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おっすおら損5億
2006年ライブドアショックにて1日で5億円の損失を出し、2ちゃんねるに書き込んだフレーズです。書き込みした後、そのまま麻雀を打ちに行ったそうです。冷静に損切りを行うことの大切さを教えてくれる名言です。
文献:一人の力で日経平均を動かせる男の投資哲学より
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売られていたものが、自分が買ったら上昇するなんて都合のいいことは起こらない。
「特に明確な根拠がない逆張りは、極論ただの妄想」ということを意味した名言です。
文献:【日めくり】cis語録 230億円トレーダーの勝つ至言
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フォースを感じられればほぼ負けない。
年金や投資信託などの大きな買いのことを「フォース」と呼んでおり、その流れに乗れれば大きく勝てるという意味の名言です。
文献:【日めくり】cis語録 230億円トレーダーの勝つ至言
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cis氏の投資手法と実績
上がっているときに買って、下がってきたら売る
cis氏の手法はかなりシンプルなもののようです。著書でも「上がり続ける株は上がり、下がり続ける株は下がる」と書かれており、スタイルは『順張り』がメインのようです。「下がっている時には買わない」「押し目買いをしない」などの発言からどちらかというブレイクアウト手法のような形かと思われます。利益確定に関しては、出来るだけ利益を大きくすることの重要性を説いており、「勝手な予想はしないで上がっている内は持っているのが基本」だそうです。
勝率ではなくトータルの損益
cis氏のトレード全体の勝率は30%程とのこと。ただ、負けはちょい負けかトントン、勝つときは、たまに10倍、20倍というような「逆コツコツドカン」スタイルです。「株で一番大事なのは迅速な損切」とも言っており、「重要なのは大きな損をしないこと。大けがだけはしないようにする。という方針で今の資産を築いた」と言っています。また、ナンピンは最悪のテクニックだと思っているそうで、理由は「場合によっては一撃で死亡してしまうから」だそうです。自分の失敗、敗北を認めて迅速に撤退するようにしてるとのことです。
材料に逆張り
基本は順張りなのですが、材料での上げ下げには逆張りすることがあるそうで、例えば海外要因。「北朝鮮のミサイル下げ」や「イギリスのEUからの独立」、「トランプさんが何か言った」など。その他にも「子会社の不祥事で親会社が大きく下げる」のような『関係ないのに雰囲気で売られ過ぎている』場合は逆張りするようです。つまり、企業の本質的価値と直接関係ない理由で暴落している銘柄は、積極的に買うスタイルのようです。また、常に「こんなことが起きたら、こんな展開で儲かる」というような仮説を数十個ストックしており、それが実際に起こることがあり「はい、きたー」みたいな感じになるそうです。
人が恐怖を感じている時はチャンス
冒頭でも紹介した、チャイナショックのような暴落相場を得意としているようです。「大きく儲けるチャンスと言うのは人間の感情が大きく揺さぶられるとき」と言っており、今回のコロナショックもまさにそうでしたね。
また、「リスクヘッジは無駄」とも言っており、損をするのが怖いという心理を制御しないと相場で勝つのは難しいと思っているそうです。
まとめ
・損切は迅速に、トータルで勝つことが大事
・値動きにはシンプルに順張り
・cis氏でも最初は1000万以上負けている
とにかくトレードをロジカルに考え、勝ち負けにこだわらず、有利な勝負をするということに徹していることを知ることができます。
参考資料
- 『一人の力で日経平均を動かせる男の投資哲学』 KADOKAWA
- 『【日めくり】cis語録 230億円トレーダーの勝つ至言』 KADOKAWA
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