世界の投資家やリーダーの思想や理念 - 世界分析と現地主義 ジム・ロジャーズ氏の投資手法とは?

世界的にはもちろん、日本でも知名度が高いジム・ロジャーズ。数多くの投資に関する本も執筆しており、日本語へ翻訳もされています。投資家の世界では伝説的な企業としても名を馳せるクォンタム・ファンドをジョージ・ソロス氏と共同で創立し、4,200%のリターン率を叩き出した事はあまりに有名です。若い頃、勤勉だったジム・ロジャーズはイギリスの名門大学であるオックスフォード大学院へ留学した後、ウォール街の見習いアナリストとして働き始めました。お金を稼ぐ行為があまりにも楽しく「毎日働いていたい」と語った程に投資の世界へ没頭していったようです。
それ以外にも
・冒険投資家
・世界三大投資家の一人
・グローバルマクロの先駆け
など様々な呼び名や経歴を持っています。
ジム・ロジャーズは投資の世界で1位、2位を争うほどに成功したと言っても過言では無いでしょうし、また現在でも影響力がある投資家と言えるでしょう。
どんなに遠い場所でも投資先へオートバイ・車を使い自分の足で見にいく程アクティブな投資家として知られています。
ちなみに6大陸を全てオートバイで走破した事から「冒険投資家」としてギネスに認定もされています。
ジム・ロジャーズ氏とは ~ 略歴 ~
ジム・ロジャーズは化学工場を経営する父と専業主婦の母の元に生まれました。
子供の頃から努力家で勤勉。大学は名門イェール大学へ進んだ後に、イギリスの名門オックスフォード大学の修士課程に進みました。学生時代は歴史を学び「お金を生む文明観・歴史観」を身につけました。後に「過去の歴史を知った事で、日本の高度経済成長期などの収益性にも気づく事ができた」とも語っているので、これらの学びはジムの投資家としての人生でかなり役に立っていた事が分かります。
オックスフォード大学の修士課程が終了した後、アメリカ軍の兵役を勤めます。
その後、投資銀行のアーンホールドSブライローダーに加わりましたが、ここからジム・ロジャーズは伝説の投資家としての階段を登っていく事となります。
投資界の大物として、良く挙げられるのはジョージ・ソロス氏。
天才的な投資家で「イングランド銀行を潰した男」と言うとてつもない異名を持っています。
そんなソロスは、ジム・ロジャーズの投資センスを見抜き、1973年に2人はクワンタムファンドを設立。1970年から1980年の間にポートフォリオは4,200%増加すると言うとんでもない実績を残し、1980年の同年ジム・ロジャーズは引退を決意します。
「冒険投資家」として知られている事もあり、引退後はオートバイで世界中を旅行しました。
しかし完全に投資家として引退をしたと言うことではなく、1998年にはロジャーズ国際商品指数を設立し、2007年にはシンガポールへ移住し、中国を中心にアジアへの投資を行っています。
テレビなどメディア関係への露出も多く、精力的な活動を続けています。
ジム・ロジャーズ氏の名言・格言
ジム・ロジャーズ氏の格言や名言をいくつか紹介します。
一つ一つの言葉からはジム・ロジャーズ氏の思想や大切にしていることを知る手掛かりになります。
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低く買い、高く売る。なかなか簡単だろう?問題は何が低く、何が高いかを知る事だ。
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みんながやっていることに倣っていたら、金持ちになる事は滅多に望めないだろう。
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こういう世の中になって欲しいと思い投資する事はできない。あるがままの世の中にしか投資できない。
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ジム・ロジャーズ氏の投資手法と実績
ここからは、ジムロジャーズ の投資手法とその結果について紹介していきます。
徹底した世界の動向分析
ジム・ロジャーズの投資手法の根底にあるのは「徹底した世界の動向分析」です。
例えば、「アメリカの大統領が変わる」「北朝鮮がミサイルを発射した」などの世界情勢を調査する事はもちろん、各国の金融政策そして社会のトレンドまでも分析する手法が大きな特徴。
世界情勢・政策・トレンドこれら3つを分析し収集するのだけでも、とてつもない情報量になりますが、ジムはそれらを全て分析し「需要」と「供給」の関係性を見抜きます。
そして、需要が多ければ「買い」供給が多ければ「売り」のポジションを取るというのが、ジム・ロジャーズの根本的な投資手法です。
逆張り投資
先ほど紹介したような、いわゆる順張りも行いますが、「逆張り」もジムの手法の一つです。
簡単に言ってしまえば、認識にギャップがあるような金融商品に対して投資をする手法。
例えば、魅力があるのに何故か低価格となっている株に投資をして、世間が気付き価格が上昇してきた所で売却し、利益を得ることも得意としています。
投資対象が見つからなければ、買わない
ジム・ロジャーズは徹底した世界の動向分析を手法として投資を行ってきました。
ですが、徹底分析を行った結果、投資対象が見つからなければ無理に投資を行う必要は無いとも言っています。そして、投資対象が見つからなければ分析を続け、お金を貯めて準備を怠らない事が大事だとも話しているので、利益を得る為に「待つ」事も手法の一つと言えるでしょう。
自分が調べて判断することが大事
また、ジムは「自分で調べた会社の株式を購入しなさい」という名言も残しています。
投資の専門誌やアナリストが「推奨株」として挙げた株式よりも、自分が調べて判断をした株を購入すべしとも語っています。これと似たような発言をしているのが、もう一人の投資界の生ける伝説、ウォーレン・バフェット氏。両名どちらも投資の世界では大成功を収めているので、信憑性はとても高いと言えるでしょう。
臨機応変な対応力
一般的な投資の手法としてあげられるのがバイ・アンド・ホールドです。
この手法は「購入したらその株を保有し続ける」事なのですが、ジムの手法はそれとは全く正反対な物。最初、ロング(買い)でポジションを取ったとしても、その後の情勢に合わせてショート(売り)も行い両建てでポジションを取り利益を上げる手法をとっています。
両建てはかなり難しい手法ではありますが、世界情勢を徹底的に分析し、国際情勢も頭に入っているジムならではの手法と言えるかもしれません。
まとめ
ジム・ロジャーズは世界的にも有名な投資家の一人です。
資産額は公表されていませんが、とてつもない額を投資の世界で稼いできた方なので、莫大な資産を持っている事でしょう。だからこそ、投資手法も驚くような方法を使っていると思われがちですが、根底にあるのが徹底的な分析です。とても泥臭く時間がかかる手法だと言えます。色々な投資の情報は、今やインターネットを調べれば手に入れられますが、投資で成功するという事は、とてつもない努力と圧倒的な調査力なのかもしれません。
参考資料
- SPACE AGENT『冒険投資家ジム・ロジャーズから学ぶ「着実な投資」』
https://www.spaceagent.co.jp/archives/808 - ジム・ロジャーズ『世界的な大富豪が人生で大切にしてきたこと60』 プレジデント社
- 岩田太郎『「大富豪物語」ジム・ロジャーズはこうしてお金持ちになった』 ZUU ONLINE
https://zuuonline.com/archives/189512
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