世界の投資家やリーダーの思想や理念 - ストップロスは行わない 「ラリー・ロビンズ」投資手法とは?

ラリー・ロビンズという人物をご存知でしょうか?
ニューヨークの大手ヘッジファンドであるグランビューキャピタルマネジメント(GCM)を一代で築き上げた人物です。
日本で有名な「投資家 ラリー」と言えば、真っ先にを思い浮かぶ方もいるでしょう。
しかしながら、ラリー・ロビンズはアメリカにおいては、多くの富を築き上げた投資の世界で最も成功した一人です。ラリー・ロビンズがCEOを務める同社は、過去「最も優れたリターン」を挙げたヘッジファンド会社として評されることもあります。
それ以外にも
・GCMで84.2%もの驚異のリターン率をを上げる
・オバマケアに目を付け莫大な利益を獲得
・「トレーダーではなく、オーナーのように考える」と言う独特な名言
このように彼は投資の世界で最も成功した人物の一人です。
本記事では、2020年現在19億ドルもの資産を保有しているとも言われる投資家ラリー・ロビンズに焦点を当て、投資に対する名言や生い立ち、投資手法などを紹介していきます。
ラリー・ロビンズ氏とは ~ 略歴 ~
ラリー・ロビンズは1969年イリノイ州アーリントンハイツでユダヤ人家族の元で育ちました。
彼は5歳の頃からホッケーを始め、母校であるペンシルベニア大学のキャプテンを3年間勤めます。大学での成績も優秀で、ペンシルベニア大学の経営技術プログラムを始め会計・財務・マーケティングに心力を注ぎ理学士号を取得しました。公認会計士の資格も取得し、まさに文武両道の秀才でした。
彼は、大学卒業後には、グリーチャー&カンパニーのアナリストとして財務を3年間経験した後、アメリカのヘッジファンド界では伝説とされるレオン・クーパーマン氏が率いるオメガ・アドバイザーズへ入社。ちなみに、レオン・クーパーマン氏は日本で有名ではありませんが、ジョージ・ソロス氏と並ぶ、ヘッジファンド業界の大物であり億万長者です。
ラリー・ロビンズはオメガ・アドバイザーでアナリストとして6年間従事した後、ついにグランビューキャピタルマネジメント(GCM)を創業します。GCMの由来は、彼がホッケーをした最初の街であるイリノイ州グレンビューにちなんで名付けられたようです。同社が特に成功した事例としては、2013年に叩き出した84.2%のリターン率。仮に1億円を預けていれば、1年間で8,420万円もの利益を得る事ができました。
ここまでのリターンを得た理由として、オバマ政権が制定した「オバマケア」が一番に挙げられます。この法律を簡単に整理すると「アメリカ国民に健康保険を安い金額で提供する」事です。
アメリカの健康保険は高額で個人で申し込みをするのは難しく、多くの方が無保険状態でした。つまり、この高額な健康保険をもっと手軽に入手できるようにする法律です。ここに目を付けたラリー・ロビンズは病院会社へ投資をし84.2%のリターンを得ました。
ラリー・ロビンズ氏の名言・格言
ラリー・ロビンズ氏の格言や名言をいくつか紹介します。
一つ一つの言葉からはラリー・ロビンズ氏の思想や大切にしていることを知る手掛かりになります。
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私たちは理解がしやすく、かつ話し合う事が簡単なビジネスが好きです。
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トレーダーのようではなく、オーナーのように考えて下さい。
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継続して努力する事、これこそがゲームに勝つ事。
ラリー・ロビンズ氏の関連記事
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ラリー・ロビンズ氏の投資手法と実績
ラリー・ロビンズの投資手法とその結果について紹介していきます。
基本的にラリー・ロビンズの投資選びは、ウォーレン・バフェット氏の投資手法とも似ているところがあります。ただ、その中でも一見すると驚いてしまう投資手法が一つあります。ここからは、そんな彼の投資手法について紹介します。
ストップロスを採用しない
いきなり個人の投資家にとっては衝撃的な事ですが、ラリー・ロビンズはストップロスを採用しておりません。
「トレーダーではなくオーナーのように考える」という考え方を持っています。つまり、トレーダーではなくオーナーのように考えるのであれば株の上下には左右される事なく、一度保有した株式は長期間保有すべきだと考えています。
GARP投資
ラリー・ロビンズは、主にGARP投資を採用しております。
このGARP投資とは「グロース投資+バリュー投資」の両方を採用基準として銘柄を選択していく方法で、短期ではなく中長期の成長性という視点から判断して「割安」な銘柄をピックアップし投資をしていく方法です。
収益が繰り返し発生すること
収益源が繰り返し発生する企業へ投資をすることに重点を置いています。
これはピーター・リンチ氏の考え方にも似ているので、リンチの具体例から引用しますが「投資家」として一回飲めば治ってしまう薬を販売している会社ではなく、飲み続ける必要がある薬を販売しているような「収益が繰り返し発生する企業」にこそ投資をすべきだと考えています。
大型株投資
ラリー・ロビンズは比較的大型株に投資する事を好んでいます。
市場での地位が確立しており、今後の業績予想が容易にできるからだと考えていることが理由です。
まとめ
日本でラリー・ロビンズはあまり有名ではありません。
また、彼はストップロスを採用しない事とオバマケアによる投資で莫大な利益を得た事だけが目立ってしまい、この2つだけを見るとギャンブル性がとても高い投資家だと思われがちです。
ただし、彼の株を選ぶ際の判断基準は様々な場面において参考に値することだと考えられます。
参考資料
- iBillionaire Capital『Thinking Like an Owner is Working Out Well for Larry Robbins』 Medium
https://medium.com/ibillionaire/thinking-like-an-owner-is-working-out-well-for-larry-robbins-cb595d027abb - Paul Milnes『Larry Robbins ? The Man of the Moment』 HEDGE THINK
https://www.hedgethink.com/larry-robbins-man-moment/ - Forbes『Larry Robbins』
https://www.forbes.com/profile/larry-robbins/?sh=45fd4f052e5c
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