アメリカ出身のジェシー・リバモアは、壮絶な人生を歩んだ投資家として知られています。
ジェシー・リバモアを語る上で注目されるのは次のとおりです。
・「破産を4回繰り返すが、破産から再び富を築くことに成功している」
・「世界大恐慌を引き起こすきっかけとなった「暗黒の木曜日」を予想して空売りを行い、1億ドル近くの利益を上げた」
没後80年を経過してもなお、ジェシー・リバモアのドラマティックな生涯や投資に対する考え方はトレーダーたちに多大な影響を与えています。
本記事ではジェシー・リバモアの投資手法や経歴、彼が遺した名言などについて詳しく紹介していきます。
- リスクの高い大胆なトレーディングによって巨額の利益を上げ、大恐慌の引き金になったとも言われる
- 「伝説の投機王」「ウォール街のグレート・ベア」と称される
- 幾度もの破産から復活して大勝利を収めたが、最後はピストル自殺で人生を終える
- 目次
- 生い立ち
- 投資スタイルとは
- 投資の格言
- もっと詳しく知る方法
ジェシー・リバモア氏の生涯

ジェシー・リバモアはマサチューセッツ州で貧しい移民の家庭に生まれました。
農業を継がせようとした父に反発し、14歳で家を飛び出します。
15歳の時にバケットショップで勝ち続け、投機家としての才能を開花させていきました。
ニューヨーク証券取引所で実際に株式投資を始めたのが1897年、20歳の頃です。
半年程度で破産していますが、すぐに復活し、1901年には強気の相場に乗り、5万ドルの資産を作りました。
ですが空売りに失敗し2度目の破産。
それでも2度の破産から復活し1907年には100万ドルの資産を作ります。
その後、コットン市場に参入するも買い占めに失敗し1915年に3度目の破産を経験。
それでも不死鳥のごとく蘇り、1929年の「暗黒の木曜日」を予想して空売りを仕掛け、莫大な利益を得ることに成功し「ウォール街のグレートベア」と呼ばれるようになりました。
1934年には4度目の破産を経験しており、ジェシー・リバモアの生涯は「破産・再生・結婚・離婚」の繰り返しです。
人生で実に、3回の結婚を経験しており、金と女性に翻弄され続けた人生だともいえます。
ジェシー・リバモアの投資手法と実績

ジェシー・リバモアの投資手法について解説します。
スキャルピング 超短期売買取引
ジェシー・リバモアの投資手法は、時代に合わせて変わっていきます。
初期の手法はスキャルピングと呼ばれる超短期売買取引。
バケットショップというマーケット外の賭博に似た取引で1,000ドルの資金を作ったことが投資家としての始まりでした。
しかし半年足らずで大失敗し、1度目の破産をしています。
トレンドフォロー型
その後再びスキャルピングで再起を図ったものの、徐々にトレンドフォロー型のトレードスタイルに変えていきました。
・ 株価が上昇したら買い、下落したら売りをしかけるスタンダードな順張り手法
・ 明確な形が来るまでエントリーは控え、ここぞというときに仕掛ける
・ 相場全体や銘柄のどちらについてもトレンドを確認する
という至極真っ当なトレードに対する考えを持っています。
相場が一つの方に向かいすぎていると判断すれば、恐れず逆張りする胆力も持ち合わせており、空売りをして利益を上げたことはよく知られています。
ジェシー・リバモア氏の投資の格言
ここからはジェシー・リバモア氏の格言を紹介します。
- 上昇株を購入し、下降株を売る。
- 下落した株を更に購入するなどして、損失を平均化するべきではない。
- 私にとってチャートは混乱を来すもとである。
出典:ジェシー・リバモア『リバモア流投機術』
リバモア流の投資方法はチャートではなく、価格を基にした記録でした。
しかし、その方法が人によって正しいとは限らず、チャートを付けること自体は否定していません。 - 特定の銘柄や業種に関して明確な見解を持ったとしても、仕掛けを急いではならないということである。
マーケットが動くのを待ち、観察する。判断を下すためのしっかりとした基準を持つことが肝要なのである。
出典:ジェシー・リバモア『リバモア流投機術』 - ほとんどの投機家が抱える問題は彼らの心のなかにあり、手仕舞うべきときにそうする勇気が持てないことだ。
出典:ジェシー・リバモア『リバモア流投機術』
まとめ
ジェシー・リバモアはウォーレン・バフェット氏のように、企業の成長に投資するようなスタイルの投資家ではありません。
相場に勝つことが目的であって、投資家というよりは投機家の側面が強い人でした。
果敢に相場に挑戦し、勝利と敗北を繰り返したジェシー・リバモアの生き様に魅きつけられる人は多いです。
また、壮絶な人生とは対象的に、ジェシー・リバモアの投資手法は現代にも通じるスタンダードな教えが多く、今なお人気が高い理由だといえます。